National Institute of Technology,  Numazu College
 
  


 

 


 制御情報工学科には11名の教員が所属しており、各教員毎に11の研究室があります。各研究室は「機械制御工学研究室」「電気電子工学研究室」「情報工学研究室」に区分されます。ここでは各研究室の概要について紹介します。

 機械工学・制御工学系研究室を紹介します。

ロボット工学研究室
●教員:吉野龍太郎
●主な研究テーマ:
 ・人間型ロボットアームハンドの研究
●概要:
 吉野研究室では、ロボットシステムにかかわるものを研究対象とし、特にロボットのメカニズムに主眼を置いた、機構要素に関する開発や解析を中心に行っています。また、産業・医療・福祉・アミューズメントなどの分野を問わず、広い視野を持った創造性のあるロボット開発を目指すことで、常に新たなロボットの可能性を探っています。

制御工学研究室 
●教員:長谷賢治 
●主な研究テーマ:
 ・制御システムの設計に関する研究
●概要:
      (クリックで再生:音が出ます)
  ロボットなどの制御対象に「こんなことをさせたい!(WHAT)」。では、どのようにするか(HOW)?このWHAT-HOW変換を考え、HOWを制御プログラムという形で制御対象に組み込む。これが制御システムの構成です。本研究室では、いかなる制御対象と目的(WHAT)が与えられても、このWHAT-HOW変換が可能な制御理論をつくることを目指しています。 動画は、本研究室で作成した並列型二重振り子のスイングアップ制御システムです。腕の両端についた2本の振り子が、腕の回転運動で、降り下がっていた状態から倒立状態へ、そして、倒立状態の安定保持を制御によって実現しています。(注:動画は音が出ます)
 

計測制御システム研究室
●教員:長縄一智
●主な研究テーマ:

 ・環状交差点、ラウンドアバウトの通過交通量についての研究

 ・PID制御における制御特性改善についての研究

●概要:
          平成26年1月に実施された
            ラウンドアバウトの
            社会実験の様子(焼津市)
 
  欧米等でよく見られるラウンドアバウトは信号がない環状交差点であり、交差事故防止、災害時の通行確保、環境・経済的効果等の理由で、日本でも、平成25年6月の道路交通法改正と共に各地方での導入が始まりつつあります。既存の交差点をラウンドアバウト化することで、通過交通量に対しどれほどの効果をもたらすかについて、コンピュータシミュレーションを用いて研究しています。一方、PID制御特性の改善については、特に外乱応答に着目した研究を行っています。系に何らかの外乱が発生した後、再び制御が安定するまでの時間やプロセス値の変動を評価指標として、PID制御アルゴリズムを改善することで、生産効率向上とエネルギー消費量が少ない、よりよい制御状態を作り出すための研究をしています。 

数値流体力学研究室  
●教員:松本祐子
●主な研究テーマ:

 ・水質改善に役立てるための池内流れ解析

 ・静圧軸受システムの流れ解析

●概要:
 わたしたちのまわりには、水や空気、血液などたくさんの流れが存在し、身近な生活や工業製品などに大きな影響を与えています。当研究室では、コンピュータシミュレーションによる流れ解析を用いて、さまざまな現象を調べる研究を行っています。写真には、高専の近くにある門池の流れ解析結果を示しています。また、より良いシミュレーションを行うための渦を使った新しい計算手法の研究も進めています。

 電気・電子工学系研究室を紹介します。

電磁波工学研究室
●教員:芹澤弘秀
●主な研究テーマ

 ・電磁波の放射と透過に関する研究
 ・複雑な数式に対する高精度な数値計算法の開発

●概要:

 金属板に開けられた四角い穴や金属管でできたアンテナ(導波管アンテナ)からの電磁波の漏れ量や放射量が、どのようなときに多く、また少ないのかを数理的な方法(小林ポテンシャルの方法)で厳密に調べ、その原理を解明する研究です。また、そのために必要となる複雑な計算式を効率よく高精度で計算するためのアルゴリズムを開発することも研究の目的となります。この研究で目に見えない電磁波の様々な特性を正確に把握することができ、他の汎用的近似解法の精度を正しく評価するための基準解が得られます。
 図は金属板の四角い穴から電磁波のエネルギーが流れ出ていく様子を可視化した結果です。


光情報工学研究室
●教員:大久保進也
●主な研究テーマ:
 ・円偏光照明を用いた複屈折光学顕微鏡の開発

 ・複屈折共焦点レーザー走査型顕微鏡の開発

●概要:

 近年の光エレクトロニクスの発展に伴い、画像表示用ディスプレイやBlu-rayディスクプレーヤーなどに代表されるような光学機器の性能が飛躍的に向上しています。これらの更なる性能向上のためには、ガラスや液晶、透明樹脂などのような光学材料の評価が重要となります。光情報工学研究室では、このような光学材料や生体試料などの光学特性を定量的に測定するためのレーザー計測システムや特殊な光学顕微鏡の研究開発を行っています。写真は本研究室で開発している特殊な顕微鏡で、光の波長よりも小さな構造をもつ試料をコンピュータ上で画像化するシステムです。


生体システム工学研究室
●教員:横山直幸
●主な研究テーマ:

 ・小児用磁気浮上式人工心臓の開発(治療機器)

 ・血液細胞の機械特性評価システムの開発(診断機器)

●概要:
 現代の医療を支えているのは、非接触・非侵襲の診断機器や革新的な治療機器、先端的材料や高度テクノロジーにより実現した人工臓器などであり、工学に依存するところが大きくなっています。生体システム工学研究室では、人工心臓開発を核として、血液を計測対象とした治療・診断機器の開発など、工学の立場から医療に貢献する研究を幅広く行っています。写真は、小児心疾患への応用を目的とした磁気浮上式人工心臓の開発風景です。制御情報工学科で修得した機械・電子電気・情報学の知識や技術を基にして、学生が主体的に研究を行っています。

 情報工学系分野の研究室を紹介します。

認知工学研究室
●教員:宮下真信
●主な研究テーマ:

 ・発達期における神経ネットワーク形成に関する研究

 ・大脳感覚領野における神経ネットワークの構造と機能との関係の研究

●概要:

 脳・神経系のもつ物体の認識、記憶、判断などの機能は、既存のコンピュータよりも優れています。人工知能の技術は、脳における神経ネットワークが作り出す機能を模倣することで発展してきています。本研究室では、発達期における神経ネットワークの形成をコンピュータシミュレーションで再現しています。写真は、シミュレーションで再現した、視覚領野に見られる方位マップと呼ばれる構造です。また、得られた神経ネットワークに、実際の画像や音声を入力したときのモデル神経細胞の応答を求め、神経ネットワークという「構造」と脳の「機能」との関係について研究しています。


デジタルインダストリ研究室 
●教員:藤尾三紀夫
●主な研究テーマ:
 ・サーボデータ制御に基づく多軸高速高精度加工システムの開発
 ・画像処理に基づく患者の動向監視支援システムの開発
●概要:
 ものづくりの世界にはコンピュータ技術が応用され、商品のデザインから開発設計や解析、シミュレーション、生産や品質管理など多くの分野にデジタル技術が応用されています。そして近年ではIoTを応用したデジタルインダストリ4.0が始動し、ものづくりに革命が起き始めています。デジタルインダストリ研究室では、ソフトウェア技術をベースに、3Dプリンタや3Dスキャナをはじめ、CAD/CAM・CAEシステムから5軸工作機械を用いた「ものづくりの高度化」について研究を行っています。写真は三島商工会議所との共同研究で、S4学生が三島市の伝統工芸「三四呂人形」を、3Dスキャニングしている様子です。

情報科学研究室
●教員:鈴木康人
●主な研究テーマ:
●概要:
 

通信工学研究室
●教員:山崎悟史
●主な研究テーマ:

 ・エネルギー効率に優れたマルチホップ通信の研究

 ・農作業最適化に向けたIoTセンサネットワークの研究

●概要:
 近年、センサやクラウドなどあらゆるモノが無線で自律的にインターネットに繋がり高度なシステム制御を実現するIoT(Internet of things)や次世代移動通信システム5Gの到来が期待されています。その実現には、ヘテロジニアスな(異種混在した)システムからなる無線分散ネットワークが必須となります。写真はそのイメージです。当研究室では「限られた無線資源(時間・周波数・空間など)の利用効率を究極的に高めつつ、電力消費を極限まで低減可能(グリーン)な無線分散ネットワークの実現」に向け、通信ネットワークやBigData処理に関する理論基盤構築からシステム実装に関する研究を進めています。