地理情報システム学会
第1回バーチャルカンファレンス
( VCGIS '98 )


GISを用いた農業集落カード・データの分析

佐藤崇徳*・我孫子隆**・杉田亜希子***


【要 旨】

 農業センサスについての最小地区単位での集計結果である農業集落カードは,1995年調査のデータからCD-ROM,フロッピーディスクでも提供されるようになり,農業集落という細かい単位での農業・農家に関するデータについて,コンピュータを用いた分析が可能になった。発表者らは,宮崎県内の宮崎市およびその周辺12市町村 (942集落) を事例地域として取り上げ,このデータをGIS上に取り込むことにより,集落単位でのデータの地図化を行うとともに,市町村別データやメッシュデータとの組み合わせにより,施設園芸を中心としたこの地域の農業の空間的展開について検討した.本発表では,農業集落カードCD-ROMのデータをGIS上に取り込んで分析システムを構築するまでのプロセスを紹介するとともに,ある地域の農業経営の実態について,GISによっていかに概観を把握し,フィールドワークを行う際の手がかりをつかむことができるかについて考察する。


【章構成】

I.
はじめに
  1. 本研究の背景と目的
  2. 研究の方法
  3. 事例地域
II. 
農業集落GISの構築
  1. 農業集落カードCD-ROM
  2. 位置データの取得
  3. 空間オブジェクトの生成と属性データとの結合
  4. 農業集落データの地図化
III.
農業集落GISのを利用した地理学的分析の可能性
  1. 農業経営の空間的分布の把握
  2. 農業経営と地形条件・土地利用との視覚的比較
  3. 土地利用メッシュデータとの重ね合わせによる不耕作地分布の分析
IV.
おわりに


【キーワード】

GIS (地理情報システム),農業センサス,農業集落カード,宮崎平野


*
広島大・総合地誌研究資料センター
**
広島大・院
***
宮崎県職員

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