佐藤崇徳・我孫子隆・杉田亜希子:
GISを用いた農業集落カード・データの分析


IV. おわりに


 以上のように,既存の統計データを事前にGISを使って分析することにより,現地に行かなくても,その地域の農業経営の空間的な分布とその要因について予察的に検討することがある程度可能である。むろん机上の分析だけでその地域の実態が全て把握できるわけではないが,このようなプロセスを現地調査の前に踏むことによって,フィールドワークにおける調査目的・調査内容をより明確にできるものと思われる。

 なお,本研究にあたっては,分析を始める前に農業集落の位置データの入力に多大な時間と労力がかかったが,もし農業集落カードに集落の位置に関するデータ (最低X・Yの2つの値があればよい) が含まれていたとすれば,このような研究はよりスムーズに進めることができたであろう。統計データのディジタル化とともに,それを空間的に分析するための地図データの整備・公開が求められる。


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