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私は物理学者である。
物理学者が,なぜ心臓をしらべているのか?
心臓は生体の中にあるポンプのような存在である。このポンプは基本的には一定のリズムで拍動を繰り返すようにできている。これを,体内の(あるいは環境の)状況に応じて,早めたり遅くしたりしてコントロールしているのが脳−神経系である。ポンプとそれをコントロールする仕組みを調べるのなら,物理学者がやってもいいだろう・・・。そういうわけで,生物学者と共同でイセエビなどの心拍を解析している。
なぜ,イセエビかというと・・・。
甲殻類では,心拍を早める神経(促進神経)と遅くする神経(抑制神経)がはっきりしていて,しかも数が少ない。これは,心臓のコントロールの仕組みを調べる上で有利である。(哺乳類では無数の自律神経がからみあっていて,複雑きわまりない。)別にイセエビでなくてザリガニでも良いのだが,イセエビの方が大きくて心電図が取りやすい。(それにおいしいし・・・。)