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生体の筋肉は,緊張すると電位(筋電位という)が変化する。心臓の筋肉細胞は,みな同期して収縮・弛緩を繰り返すので(だから心臓が拍動する),大きな筋電位が観測される。これが心電図である。人間では,聴診器を大きくしたような電極を体表の何箇所かに密着させて心電図を観測する。エビのような甲殻類では,かたい殻を持つため,同じ方法では心電図はとれない。そのかわり,殻に小さな穴を開けて,電極を取り付けてしまえば,質の良い心電図データを得ることができる。

これはイゼエビの殻に心電図電極を固定したところである。イセエビは背中の真ん中付近に心臓があるので,この位置に電極を固定すると大きな信号が得られる。もちろん,電極を取り付けた後は水に戻してやる。

殻に穴をあけてしまったのだから,エビにとってさぞかし負担になるかと思うが,何ヶ月かすると脱皮し,そのとき電極ごと殻を脱ぎ捨てて,元通りの無傷のエビにもどる。すごい生き物である。これは,脱皮ガラを内側から見たところ。