Yoshino Lab.  Yoshino Lab.

アクア・マイクロ・ロボット(AMR)の研究

近年、マイクロ、ナノ技術の発展により、さまざまな部品やIC等が小型化され、その入手が容易になった。
これらを利用することで、より小型で精度の高い製品の開発が可能になり、各種のマイクロロボットも同様に研究が進められている。
しかし水中用ロボットに関しては地上とは環境の異なる特殊な条件下のため、実用的な製品は少なく開発はあまり進められていない。
本研究では、それに付随する問題を克服した実用的な水中用小型ロボット、「アクアマイクロロボット(AMR)」の開発を最終目標とし、まずは根幹となる推進システムについて研究を行っている。

推進機構の開発

本研究ではアクアマイクロロボットの推進システムとして、尾ひれ式とスクリュー式の2方式を考案し、それぞれについて考察を行ってきた。
Fig.1にその概要図を示す。

  • 尾ひれ式
  • モータに極の異なる2つの磁石を取り付けたものを動力として使用し、磁石を取り付けた揺動子をモータの正面に配置する構成となっている。
    このときモータ側と揺動子側の磁石間ではそれぞれ吸引、反発力が生じている。
    モータを回転させることで磁界の変化が周期的に起こり、連続的にこの変化が生じることで回転運動を非接触で往復運動に変換することができる。
    Fig.2は駆動の流れを示した図である。
    image.gif(クリックで拡大) image1.gif(クリックで拡大)


  • スクリュー式
  • モータ側に2つの磁石を取り付けたものを動力とし、もう一方のスクリュー側にも同様に磁石を配置する構成となっている。
    磁石の吸引作用を利用し、モータ側の磁石が回転するとそれにスクリュー側の磁石が引っ張られ、スクリューに回転運動を伝える。
    この場合はモータの回転運動をそのままスクリューに伝える形で利用している。
    Fig.3に駆動原理を示す。
    fig.gif

  • 性能実験
  • 実際に上記2方式の推進機構を有する試作機をそれぞれ製作し、水中にて性能実験を行った。
    同径(Φ6)のモータによる実験結果では、尾ひれ式の場合は進行速度1.4[cm/s]、スクリュー式の場合は進行速度4.0[cm/s]が得られている。
    以下は尾ひれ式の場合の実験映像である。

    動画

    arm1.mpg arm2.mpg arm3.mpg arm4.mpg

    画像

    *準備中