数値地図(地図画像)用カラーパレット


カラーパレットとは何か

国土地理院刊行の「数値地図(地図画像)」シリーズは,1:25000地形図,1:50000地形図,1:200000地勢図を画像データとしてデジタル化したものです。 1ピクセル(画素)0.1mm(254dpi)でデジタル化され,1図葉ずつ1つのファイルになっています。 この画像データはTIFF形式のファイルですので,数値地図用の専用ソフトのほかに, Adobe Photoshop, Jasc Paint Shop Pro などの一般的なグラフィックソフトでも扱うことができます。

画像データは,紙地図で使われる各色に対応する8つのレイヤー(地図の黒い線、黒い面、茶色の線、茶色の面等々に相当)に分かれており,例えば茶色の線のレイヤーだけを取り出すことにより,等高線だけが描かれた地図(等高線以外にも茶色で描かれる崖や土堤も表示されます)を表示することができます。

ただし,ここで使われているレイヤー構造は, Adobe Photoshop 等のレイヤーとは異なります。 Adobe Photoshop 等で開いてみてもレイヤー構造のない画像として表示されます。数値地図(地図画像)では,それぞれのレイヤーに各1ビットを割り当てることにより,全体で1ピクセルあたり8ビット(=256色相当)で表現するという方式をとっているのです。すなわち,1ピクセルあたり,各レイヤーでは2色(描く/描かない=白紙)の情報があり,全部で8レイヤーあるわけですから,全部で256(=28)通りの情報があればいいわけです。したがって,256色インデックスカラーの画像となっています。

インデックスカラーとは,白黒表示から現在のフルカラー表示へとコンピュータの画像処理技術が進展する過程で登場した方式で,同時に扱える色を256色に限定することにより処理能力の低いコンピュータでもカラフルな画像を扱えるようにし,またファイルサイズを小さく抑えたものです。では,その256色とはどの色とどの色かということについては,256個の色に番号を付け,1番の色は○色,2番の色は○色 … 256番の色は○色と画像ごとに決めたのです(この方式をインデックスカラーと呼んでいます)。したがって画像ファイルは,1番から256番までの色を定義する部分と,各ピクセルは何番の色かという情報の部分から構成されることになります。このうち,前者の1番から256番までの色を定義する部分をカラーパレットないしはカラーテーブルと呼んでいます。 グラフィックソフトを使えば,1つの画像に異なるカラーパレットを適用することができます。画像データには,たとえば「一番左上のピクセルは3番の色」という情報が記録されているわけで,その3番の色として赤を割り当てるのも青を割り当てるのもカラーパレットしだいというわけです。

数値地図(地図画像)では,このインデックスカラーの画像に対して,紙地図に対応するように7〜8色がカラーパレットで割り当てられています(紙地図では3〜5色のインクが使われていますが,黒い線と黒の網掛け等を区分するため8つのレイヤーを使っており,数値地図でもそれに対応する色数となっています)。また,複数の色が重なるピクセルについては,レイヤーの優先度を決めて,上位のレイヤーの色が表示されるよう,カラーパレットが工夫されています。

したがって,異なるカラーパレットを適用することにより,数値地図の各レイヤーを任意の色で描画させることができるのです。例えば,本来は茶色で表示される等高線などを赤色で表示することはもちろんのこと,特定のレイヤーに優先度を下げて白色を 割り当てれば,そのレイヤーを抜き取った画像を表示させることもできるのです。

このサイトには,そのような画像処理を行うためのカラーパレットが用意されています。
皆様のお役に立てれば幸いです。


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