愛鷹ローム層の標本

標本パネル展示までの経緯


できあがった8mの標本パネルを前に解説する藤枝孝善名誉教授(写真右)

 専攻科棟の建設時に,藤枝孝善教授(当時,現名誉教授)は同建設現場の露頭で愛鷹ローム層を確認しました。愛鷹ローム層は,東名高速道路の建設など相次ぐ土木・建設工事で露出していましたが,これまで保存された例はありませんでした。そこで本校では,藤枝教授からの「学術上はもとより教育上も希少価値のあるこの地層を永久に保存してはどうか」という提案を受けて,保存・展示する方法について検討しました。

 しかし,このときは保存方法を決定するには至らず,とりあえず露頭の写真パネルを作成し,図書館1階ロビーの壁面に展示しました。

 その後,専攻科棟の隣に新しい講義棟が建設されることになり,露頭を保存できる最後の機会がとなったため,保存方法について再度検討がなされました。その結果,現れた露頭を現地でそのまま長期的に保存するのは技術的に困難なことから,露頭表面を剥ぎ取り標本パネルに加工して保存することになりました。新校舎の建設と並行して1999年4月から6月にかけて業者が剥ぎ取りを行い,標本パネルに加工されて,同年10月に完成しました。

 標本パネルは,図書館の1階ロビーの壁面に設置され,常時展示されています。授業等で活用されるほか,一般にも公開しています。


【写真で辿る標本パネルの完成まで】


作業記録

受託業者
(財)静岡県埋蔵文化財調査研究所
剥ぎ取り
1999年4月28日,30日(第1回)
1999年6月10日,11日(第2回)
仕上げ調整・パネル張り
1999年7月5日〜9月30日(実質 約1ヶ月間)
設置(納品)
1999年10月13日

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