愛鷹ローム層の標本

写真で辿る標本パネルの完成まで


標本採取地点は,専攻科棟建設時に掘り下げた場所。 当時,愛鷹ローム層が観察できた露頭(斜面)には,草が生えていた。 今回,そこを再び重機で垂直に掘った。

重機で掘られた壁面を手作業で平滑にしていく。

鮮やかなオレンジ色の箱根三島軽石(写真中央)がはっきりと見えるようになった。

平滑になった露頭表面にガラス繊維の布を当て, その手前から接着作用のある溶液を吹き付けていく。 溶液はガラス繊維を通って地層に浸透していき, 露頭表面付近の土がガラス繊維に固着する。

ガラス繊維は人体に有害*なため,作業者以外は立入禁止。 したがって写真はありません。作業者は全身を防護して作業を行いました。

* 繊維片(つまり非常に細かいガラスの破片)が空中に舞い,肺に吸い込むと非常に危険

ガラス繊維の後ろに新聞紙を貼り付けてさらに溶液を吹き付け,補強しているところ。

溶液が乾燥し固まってきたら,地層が固着したガラス繊維を剥がします。

これが簡単そうに見えて大変。 下半分(中部ローム層に相当)は地層が締まっていて,表面から数cm奥を削りとる感じだったようです。

剥ぎ取った地層

この表面をきれいに仕上げて,パネルに貼り付けます。

納品された標本パネル

4分割されているパネルを1本につなげてみた(手前が地表側)。

設置作業

展示スペースの都合から,2m×4枚に分割して展示することになった。 左から右にいくにつれ深くなっている。

設置完了

図書館1階のロビーの壁面(ゼミナール室1前)に常設展示されています。

このあと,保護のために,透明なアクリル板で覆われました。


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