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学生実験 指導書 E3 実験391

「交流回路のシミュレーション」 by 望月

「Update 2001 5/17 課題の変更」 「Update 2001 4/26 課題の追加」 「Update 2000 7/4 書き方変更」

目的

・ Excel(R)(表計算ソフト)に親しむ。
…特に,グラフの書き方を覚えるとともに,簡単なシミュレーションを行う。
ついでに,微積分,交流理論について予・復習する。

手順

・指導書後半に示された課題に取り組む。

レポート


表紙 + 課題を印刷した紙(数枚) + 用語調べ + 感想
調べるべき用語は:「最小2乗法」「回帰直線」「線形近似」「多項式近似」「移動平均」(01/5/17-)
調べるべき用語は:「回帰」「直線近似」「多項式近似」「移動平均」(-01/5/16)
1週間以内(言うまでもないことですが)

課題1:データのグラフ化

ExcelTMを使った実験データの整理法をマスターする。

ここでは下の表のような結果を得たとして,グラフを作る。

グラフには,実験のデータ点と,データから得られる近似線を表示する。

注意点

x=入力電流(A) y=測定値(V)
1 13
2 26
3 34
4.5 48

最小二乗法とは?

x1 , x2 , x3 , ...
に対して,
y1 , y2 , y3 , ...
が得られたとき,式
y = a + b x
を近似線とする。ただし,a, b は,次で定義した S を最小にする値とする。

定義 : 誤差 ei = yi - ( a + b xi ) ; i = 1, 2, 3,...
定義 : 誤差の二乗の総和 S = e1 2 + e2 2 + e3 2 + ...

余裕があったら自分で計算しよう:
a は S を最小にする値 であるから, S を a で微分したものを零にする値である。
b も S を最小にする値 であるから, S を b で微分したものを零にする値である。

表の例



課題2:微積分

微積分を数値計算で行うには, dx を有限の値にすれば良い。(微積分では dx を無限小にした)

もと関数を f(x), もと関数の微分を f'(x),もと関数の積分を g(x) とおけば,各数は次の表のように与えられる。

x x f(x) f'(x) g(x)
x0 0 f(x0) { f(x1) - f(x0) }/dx g(x0)=初期値
x1 dx f(x1) { f(x2) - f(x1) }/dx g(x0) + f(x1) * dx
: : : : :
xn xn-1 + dx f(xn) { f(xn+1) - f(xn) }/dx g(xn-1) + f(xn))* dx
xn+1 xn + dx f(xn+1) { f(xn+2) - f(xn+1) }/dx g(xn) + f(xn+1)) * dx
: : : : :

この表をそのままExcelTMに移し替えれば,微積分を数値計算できる。

注意点

表の例

 


課題3(a):RL回路の電圧波形

交流正弦波電源に,R と L が直列につながっている時の電源波形と,R 及び L に加わっている電圧波形をグラフ化する。

表の例

電源波形 v を, v = V sin ωt = V sin( 2 π f t) とおく。

また,R と L に加わっている電圧を vR , vL とおく。

回路には,電流 i が流れるものとする。

基本の式
・電源電圧は,v = V sin ωt = V sin( 2 π f t)
・抵抗値は, R
・コイルのインピーダンスは, jX = jωL
・全インピーダンスは,R + jX = R + jωL
・ i = v / (R + jX )
・ vR = R i
・ vL = jX i

これから計算すると,
・ vR = VR sin(ωt + θR)
ただし,
VR = V * R / sqrt( R^2 + x^2 )
θR= tan-1( - X / R )

・ vL = VL sin(ωt + θL)
ただし,
VL = V * X / sqrt( R^2 + x^2 )
θL= tan-1( R / X )

ここで,以下の条件の中で各部の電圧波形がどうなるかシミュレーションを行え。
また,特徴的な条件で一枚出力せよ。
・ V = 141 [V] 固定
・ f = 50 [Hz] を中心に,だいたい 20[Hz] から 100[Hz]まで
・ R = 300 [Ω] を中心に,だいたい 200[Ω] から 500[Ω]まで
・ L = 1 [H] を中心に,だいたい 0.5[H] から 2[H]まで

注意点

シミュレーションの例

 

課題3(b):RC回路の電圧波形

交流正弦波電源に,R と C が直列につながっている時の電源波形と,R 及び C に加わっている電圧波形をグラフ化する。

(a)と同様に計算すれば良い。

電源波形 v を, v = V sin ωt = V sin( 2 π f t) とおく。

また,R と C に加わっている電圧を vR , vC とおく。

回路には,電流 i が流れるものとする。

基本の式
・電源電圧は,v = V sin ωt = V sin( 2 π f t)
・抵抗値は, R
・コンデンサのインピーダンスは, jX = 1/(jωC) = -j/(ωC)
・ i = v / (R + jX )
・ vR = R i
・ vL = jX i

これから同様に計算できる。
・ 自分で計算しよう!!
(ヒント : (a)の例...R-L回路... の太線で囲まれたところを変更すれば良い。 従って,先に作った表をコピーして,僅かに変更すれば良い)

ここで,以下の条件の中で各部の電圧波形がどうなるかシミュレーションを行え。
また,特徴的な条件で一枚出力せよ。
・ V = 141 [V] 固定
・ f = 50 [Hz] を中心に,だいたい 20[Hz] から 100[Hz]まで
・ R = 300 [Ω] を中心に,だいたい 200[Ω] から 500[Ω]まで
・ C = 10 [μF] を中心に,だいたい 5[μF] から 20[μF]まで

注意点

 

以上.