return to upper page Update 2012.9.12 New 2012.9.10

【「クリップモーターと紙レコード」上野原義塾 2012】

  1. 【はじめに】渡辺敦雄先生は,2012年3月に沼津高専を退職され,今では故郷の山梨県で寺子屋のような教育もされています.この地で2012年9月8日(土)に出前授業を行いました.
    その様子(写真等)をII.とIII.に,
    詳細をIV.〜VIII.に示します.
  2. 【写真---クリップモーター】
    これからモーターを作ります.配布したテキストに15頁にわたって詳細が書いてあります.それでは製作を進めましょう.私の説明に沿って作ってください.

    勢いよく回ってます! 全員回せました.

  3. 【写真---紙レコード】
    「模様の書いた紙」には,音の情報が入っています.

    センサで各々音を読み取ろう.

    紙(音の情報)を長くつなげれば,曲を記録できます.

    どんな曲が聞けたかな?(「カエルのうた」でした)

    自分で模様を描いて,自分だけの音を作ってみよう.

    「講義」を5分ほど行ってまとめとし,授業を終わりました.

  4. 場所と日付
    渡辺敦雄先生は,2012年3月に沼津高専を退職され,今では故郷の山梨県で寺子屋のような教育もされています.この地で2012年9月8日(土)に出前授業を行いました.
    13:30集合 17:00解散としましたが,集合場所と会場は100メートルほど離れていて,受講生が会場に居たのは13:45〜16:30だったと思います.
  5. 【全体の概要】
    渡辺先生が,前もってビラを作って近隣に宣伝をして下さったり,新聞にも紹介して頂き,16名の受講生を集めて頂きました. また,当日にお手伝いをして下さった大人の方も,
    ・渡辺塾長
    ・女性2名(ボランティア)
    ・男性2名(ボランティア)
    の計5名いらっしゃいました.これらすべての方に感謝申し上げます.
    時間配分は,たしか以下のような流れだったと思います.
    (使用する機材・部品については望月が準備.材料費は上野原義塾から頂きました)
    (会場については,当日の午前までに塾長がおおまかな設営)
    (13:150〜13:40 会場準備(ボランティアの方,塾長,望月))
    13:45〜13:50 塾長(渡辺先生)のご挨拶
    13:50〜15:15 クリップモータ
    15:15〜15:25 休憩
    15:30〜16:20 紙レコード
    16:20〜16:30 塾長から授業終了のご挨拶
    16:30〜16:40 受講生も共に行う片付け
    (16:40〜16:50 会場戸締り等)
    かっこは,受講生が知らないところで行ったものです.

    宣伝のビラの写しです.(クリックすれば拡大表示します)

  6. 【実際の授業】
    どちらの教材も沼津高専で小中学生向けに実施しているテーマでしたから,今回の小学生相手の授業は,ある程度計算ができるものでした.
    しかし,クリップモーターについては,準備において本来0.5mmのエナメル線で作るべきコイル(初心者用のコイル)を,0.25mmのエナメル線(経験者向けのコイル)で用意してしまったのは失敗でした.それでも,用意し置いた0.4mmのエナメル線を代用品として作り,何とか授業を成立させることができました.
    エナメル線の一部をはぎ取る作業はカッターを使ってもらいました.自分としては十分な警告をしたつもりでしたし,塾長からも特別に危険性に関する説明がありましたが,一人の受講生が手を少し切ってしまったのは痛恨のミスだと反省しています.従来はそこはやすりで作業させましたが,「回らないモーターの原因の大半は,はぎ取り作業の甘さ」であり,やすりとカッターを比べるとはぎ取る力はおそらく数倍以上カッターが強い」ですから,「カッターを安全に使わせること」がこの実験のポイントでした.こうしたことを,前もってわかっていただけに,反省は大きです.次回チャンスをもらったなら,丁寧なカッター使用マニュアル(小学1年生にもわかるイラスト付き)を用意すると決意いたしました.
    なお,上級生向けのモーターについては,配布した資料に写真入りで作り方を載せています.どうぞ自宅でご家族の方と一緒に作ってほしいと思います.

    紙レコードは,私が知る限り,日本で唯一の実験です.センサで紙の模様を読み取って,その音を聞くというものです.こちらは危なげなく作業を終えることができました.回路はウエブ上に公開されていますので,ご興味のあるかたはご覧になってください.
  7. 【受講生について】
    ・大半が小学5・6年生で,一部小学1・2年生と,3・4年生でした.
    ・年齢差が大きいので,どうなることかとも思いましたが,5・6年生でない受講生も,負けない集中力で授業に臨んでくれました.
    ・私としてはみんな楽しんでくれたものと思います.
  8. 【その他】
    ・上野原は初めて行った町ですが,交通の便も良く,良いところだと思いました.
    ・週末は天気が良くなかったので,当日の天気を心配していましたが,良い天気で良かったです.
  9. 【link to】
    ・望月の出前授業等リンク
    ・クリップモーター(沼津高専)リンク
    ・紙レコード in る・く・る(静岡科学館にて実施)リンク
    ・静岡科学館る・く・るのトップページ


−−−望月から−−−
楽しんでもらえたでしょうか.

サイエンス体験に対して,3つのポイントを上げたいと思います.

一つは,科学の知識を広げることだと思います.
例えばモーターの中で生じている物理現象は,中学校で勉強します.

二つ目は,「工夫すること」が自然にできるようになってほしいと思います.
今回作ったクリップモーターは,自由度が高いので,自分で工夫すればいろいろな形を試せます. 例えばコイルの形が四角だったらどうでしょう.楕円にしたらどうでしょう.巻き数を変えたらどうでしょう.
そうしたチャレンジが自然にできるようになってもらいたいです.

もう一つは,他の人のことを思いやることです.
技術開発は一人でできるものではありません.また,技術は,使う人がいてこそ生きてきます.
例えばクリップモーターですが,用意したカッターは,受講生の半分でした. だから,二人の受講生で一本のカッターを使ったのです. お互いに声を掛け,譲り合ったりしながらカッターを使ったでしょうか. 使い終わったカッターは,「刃を閉まってから相手に手渡した」でしょうか.
それから,研究開発でモーターの技術が高度になれば,例えばロボットの動きがよりスムースになることが予想されます. 科学の世界では,モーターはもちろん,それ以外にも「技術がより高度になれば,用途が更に広がる」 というものが一杯です.受講生のなかからも,そういった仕事にチャレンジする方が生まれることを願っています.


塾長の渡邊先生を始めとして,ボランティアの方にも積極的なご支援を頂き,
本当に有難うございました.この場を借りて感謝申し上げます.

今後とも教材の改善に取り組みたいと思います。お問合せもお待ちしています。
問合せ先は,望月,あるいは沼津高専の教務課になります。
(なお,日程その他の関係で,全てを受けられるとは限りませんことを御了承下さい)