鷹岡アーカイブ 解説
沼津高専では本科2年次に「ミニ研究」という課題学習(PBL)科目を設けており、2016年度は2年生3名が『鷹岡アーカイブ』を作成しました。
静岡県富士市の鷹岡地区は、明治期に製紙工場が立地して以降、製紙業を中心に発展してきた街です。 その鷹岡地区で明治~昭和に撮影された写真数十枚が2014年に地元の方から市に寄贈されました。 市と地元の商工会ではこれをデジタル化して、画像データとして後世に残していくことになりました。 地域の歴史を物語る貴重な写真資料です。 「鷹岡アーカイブ」は、この写真を地図上にプロットすることで、鷹岡の近現代の姿を写真と地図で伝えるウェブページを作成するプロジェクトです。
富士市(鷹岡まちづくりセンター)からご提供いただいた写真の目録および郷土資料をもとに、学生たちは現地調査も行って写真の撮影場所を探し出し、また、現在のまちの姿も写真に撮りました。 ウェブ地図サイトの構築には指導教員が開発したツールを用い、写真の場所の緯度・経度の数値とその場所に関するテキストデータ、画像ファイルを入力することで、Googleマップをベースとしたウェブページ上に情報を載せました。 また、国土地理院の「地理院タイル」のほか、埼玉大学の谷謙二氏が提供する「今昔マップ on the web」のタイルマップサービスを利用することで、現在や昔の地形図の画像を表示させることもできるようにしています。
学生たちは「鷹岡アーカイブ」プロジェクトを通して、ICT(情報通信技術)を用いて地域社会にどのような情報発信ができるかについて学びました。 「鷹岡アーカイブ」が、鷹岡で暮らす方々、鷹岡を訪れる方々の地域再発見の一助となれば幸いです。
末筆ながら、資料をご提供いただくなど様々な面でお世話になりました富士市(鷹岡まちづくりセンター)の深澤誠様、渡辺哲成様に心よりお礼申し上げます。
指導教員 佐藤崇徳

