ウッダーラカ・アールニ
『チャーンドーギヤ・ウパニシャッド』 6.2.1-4, 6.9.1-4
第6篇 第2章
1. わが子よ、太初においてこれ(宇宙)は<有>だけであった。唯一で第二のものはなかった。
これについて、ある者は説く。
「太初においてこれ(宇宙)は<無>だけであった。唯一で第二のものはなかった。
この無から有は生まれた。」と
2. 彼は説いた。
しかし、わが子よ、どうしてそのようなことがありえよう。
どうして無から有が生まれよう。
そうではなく、わが子よ、
太初においてこれ(宇宙)は<有>だけであった。唯一で第二のものはなかった。
3.それ(有)は想った。多になろう、繁殖しようと。それは火を生みだした。
火は想った。多になろう、繁殖しようと。それは水を生みだした。
それ故、どこでも苦熱を感ずると人は汗を流す。そのときまさに火から水が生ずるのである。
4.水は思った。多になろう、繁殖しようと。それは食物を生みだした。
それ故、どこでも雨降れば食物は豊かである。そのときまさに水から食物が生ずるのである。
第6篇 第9章
1. わが子よ、ちょうど蜜蜂が蜜を作り、様々な樹液を集めて一つの味に同化すると、
2. その中の(様々な液が)私はあの木の液、私はこの木の液と互いに区別しあうことがないように、
それと同じように、わが子よ、これらすべての生き物は<有>に帰入する時、
私は<有>に帰入したと知ることがない。
(中略)
4.この微細なもの、万物はこれを本性とする。
それは真実である。(tat satyam)
それはアートマンである。(sa ātmā)
お前はそれである。(tat tvam asi)
シュヴェータケートゥよ。