20) アシュヴァッターマンの復讐と終結
その夜、アシュヴァッターマンはパーンダヴァ軍に夜討ちをかける。まず、父ドローナを殺したドゥリシュタドゥユムナのテントに入って、その首をはねる。死神のように次々と襲いかかって、陣内の寝ている者を皆殺しにした。ドラウパディーの子供たちも殺された。五王子とドラウパディーは、陣内にいなかったので助かった。ユディシュティラは、クリシュナをクルの都、ハスティナープラへ送り、老王ドゥリタラーシュトラと和平交渉させる。
百王子の母、ガーンダーリーは戦場に行く。息子たちの遺体が横たわり、その間を絶望に打ちひしがれた女たちが髪を振り乱して、夫の姿を求めて、走り回るのを見て悲嘆にくれる。五王子の母クンティーは、ユディシュティラにカルナが実は五王子の実の兄であることを告げる。悲しみに打ちひしがれたユディシュティラは、王位を受けることを拒み、隠遁生活に入ろうとする。ヴィヤーサ仙人が現れて、アシュヴァメーダ祭を催して、汚れをきよめることを勧める。祭りのために馬が放たれた。馬が巡った領域を自国の領土にするという祭りで、馬の守護役にアルジュナが命じられた。アルジュナは馬の行くところにつきしたがって諸国をめぐった。戦争で敵となった国でも無益な血を流すことなく平定して、多くの国を服属させて、1年の旅を終え、都に戻った。
平和が戻り、王国は栄えた。老王ドゥリタラーシュトラは、15年家族の長として宮廷で暮らした。その後、ガーンダーリーとともに家を出て森に隠遁した。クリシュナは、自国に帰ったが、一族が戦争で敵味方に分かれて戦ったため、内紛が起き、互いに殺しあった。これを悲しんだクリシュナは、森に入って隠遁生活をしていたが、猟師にカモシカと間違えて殺された。五王子たちは、ドラウパディーとともに森に入り、メール山への巡礼に出かけるが、その途中で相次いでなくなった。