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白金抵抗は温度に対する抵抗値変化が安定しているため,
無調整で絶対温度が測定できるというメリットを持ちます。
また,狭い温度範囲であれば,抵抗値変化は温度に比例しています。
しかし白金抵抗の抵抗値のうちで温度の情報が入っているのは
変化分だけであり,固定分は本来測定する必要はありません。
本研究で提案・試作したのは,抵抗値RxがR0+DR:ただしR0は固定分,
DRが変化分:のとき,DRに比例した周波数で発振するという
抵抗値→周波数変換機です。ブリッジ回路に工夫をすることによって,
近似値でなく,理論的に比例出力が得られます。
また,補正回路を組み込んだため,op-ampの動作時間が遅くても
比例関係が崩れません。
なお,本研究は,静岡大学電子工学研究所 渡辺教授との共同研究です。
容量比型センサは,2つのコンデンサの容量比を測定することに
よって被測定物の物理量を検出します。従って経年変化が少なく
安定して使えるという利点があります。
その一方で,比率(割り算)の計算が必要であったり,
誘電体の電気的性質のために印加電圧に制限が生じるという
困難があります。
本研究では,スイッチによってC1とC2に流れる電流を制御し,
時分割でC1+C2に比例する電圧とC1に比例する電圧を作り出し,
それぞれの電圧をA/D変換機のリファレンスとシグナル電圧として
使うことによって容量比を直接ディジタル信号に変換します。
この構成により,容量を電圧に変換する回路が1つだけであること
から回路の調整が簡単であり,またハードウエアで比率を求められる
というメリットがあります。
試作回路を作って実験したところ,0.01% 精度の測定が出来ました。
なお,本研究は,静岡大学電子工学研究所 渡辺教授,
山武ハネウエル株式会社 増田との共同研究です。