最密充填層の上に、同じ大きさの球を乗せてみましょう。最密充填層を作った時と同じように、なるべく多くの球が触れ合うように(なるべく密に詰まるように)置こうとするなら、球は最密充填層のくぼみに置かれるはずです。下の図で赤い字で「A」または「B」の文字が書かれているところが、最密充填層のくぼみとなります。
くぼみは全部で6つありますが、その全てに球が置かれるわけではありません。置こうとする球自身に大きさがありますから、隣り合ったくぼみの両方に球を置くことは不可能です。置かれる位置は「A」のみ、もしくは「B」のみの3個所となります。例として、「A」の位置に赤い球を置いた場合を、下の図の示します。(VRMLはこちら)。この図を見ると、「A」の位置に球を置くと、「B」の位置には置けなくなることがわかりますね。
ここで、「A」と「B」のどちらの位置に球が置かれるかは全くどうでもよいことであることに気づいてください(仮に「A」の位置に置いたとしても、最密充填層を60度回転させれば、それは「B」の位置になります。)。大切なことは、「1つおきのくぼみに球が置かれる」ということです。
さて、最密充填層の上に置いた3つの赤い球を良く見ると、この赤い球も最密充填層になっています。下の図のように、2層目に並ぶ赤い球を少し増やすと、この事がはっきり分かります。すなわち、私たちは今、なるべく密に球を積み重ねようとしていたわけですが、それは最密充填層を2層積み重ねていることと同じなのです。
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