O157毒素遺伝子直接検査 http://biotech.nikkeibp.co.jp/NEWS/CASDATA/NO0/SPC96073111.html
<概要> 腸管出血性大腸菌はEHECと言われ、1982年アメリカのオレゴン州とミシガン州で発生 した食中毒において 大腸菌O157:H7型菌が原因菌であることが初めて報告されました。 さらに、現在ではEHEC感染の特徴的症状である血便と腹痛を伴う出血性大腸炎ならび に溶血性尿毒症症候群(HUS)の併発はEHECの産生するVT1,VT2というVero毒素と呼ばれ る細胞毒素が原因であることがわかっています。つまり、EHECは大腸菌の細胞表面抗 原による血清型分類法であるO型、H型による確定法だけでなく、Vero毒素産生能力 の有無という別の視点からの検査方法の重要性が様々の専門家によって警告されていま す。 実際に、病原微生物検出情報(月間) Vol.17 No.1(No.191) 1996年1月発行によれば、1991 年1月?1995年11月に全国の地方衛生研究所、ならびに医療期間で検出されたVero毒素産 生性大腸菌(VTEC)の数は465であり、たしかに新聞紙上をにぎわせているO157:H7型菌の 数は379(全体の82%)と主流ではありますが、それ以外の血清型菌(例えばO26,O111)にも 本毒素産生菌が存在し、それが原因となるケースが存在することがわかります。 宝酒造は病原性大腸菌O157の毒素遺伝子(ベロ毒素遺伝子)を最新の遺伝子増幅技術 (PCR)を活用して、迅速に高感度に検出する食品検査キット(製品コード、TaKaRa Code RR100)を発売した。今回発売されたキットはベロ毒素遺伝子を検出するため、 食品汚染を直接判定できる特徴がある。O157以外にもベロ毒素を持つ大腸菌の株が存 在し、現在の流行でも別の菌株による腸管出血性の下痢も報告されている。は大腸菌 が腸管に接着するための蛋白の抗原性(血清型)を目安に大腸菌を分類したもの。しか し、ベロ毒素産生能力の有無という疾病の直接原因の検査方法の必要性が叫ばれている。 <感想> O157が発見される前は、病原性細菌による災害よりも化学物質やウィルスによるよる以 外の方が被害が大きいと思っていました。しかしO157もつVero毒素の毒性は青酸カリの 100万倍ということも含め改めて病原性細菌の恐ろしさを知りました。それと共に生 化学者となる我々が行動を起こさなくてはいけないと思いました。
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