ヒラタケの成分と効能等について
(沼津高専・芳野研究室)
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成分は...
漢方薬としては...
生薬としては...

ヒラタケ Pleurotus ostreatus (Fr.) Quel

ヒラタケ
成分(食品成分表より)

名称 水分 蛋白質 脂質 糖質 繊維 灰分 Ca P Fe Na K VB1 VB2 ナイアシン VC
単位(/100g) g g g g g g mg mg mg mg mg mg mg mg mg
えのきたけ 89.7 2.7 0.5 5.4 0.9 0.8 1 80 0.9 4 360 0.31 0.22 8.1 0
しいたけ 91.1 2 0.3 5.3 0.9 0.4 4 26 0.4 3 170 0.07 0.24 2.4 0
ほんしめじ 92.5 2.1 0.3 3.7 0.7 0.7 2 75 1.1 9 300 0.08 0.5 9 0
しろたもぎたけ 90.4 3.5 0.5 4 0.8 0.8 1 160 0.6 5 330 0.19 0.38 8.8 0
ひらたけ 90.4 3.3 0.3 4.1 1.1 0.8 1 100 0.7 2 340 0.4 0.4 10.7 0
なめこ 96 1.1 0.2 2.2 0.3 0.2 3 33 0.5 6 90 0.08 0.1 3.3 0
はつたけ 93.4 1.7 0.2 3.7 0.5 0.5 3 60 1 2 200 0.26 0.75 3.2 0
まいたけ 91 3.7 0.7 2.4 1.4 0.8 1 130 0.5 1 330 0.25 0.49 9.1 0
マッシュルーム 91.8 3.9 0.5 1.7 0.8 1.3 8 90 0.5 3 560 0.16 0.57 4.8 0
まつたけ 88.3 2 0.6 7.3 0.9 0.9 6 40 1.3 2 410 0.1 0.5 8 2

90%以上は水分である。他の食品に比べて特に多い栄養素は期待できないが、キノコ類のなかでは比較的タンパク質と糖質に富んでいる。ミネラルは比較的少ない。ビタミンとしては、ビタミンB1とナイアシンが、他の食品と比べても多い。ビタミンB1は抗脚気因子、抗神経炎因子として知られている。ナイアシンは、抗ペラグラ(皮膚疾患)因子である。(以下の図は、最も含有量の多いキノコを100%として表してある。)


漢方薬として...

天花蕈(テンカシン)
担子菌類ヒラタケ Pleurotus ostreatus, Jacq.の菌体。
作用:無毒、或有毒。益気。殺虫。
成分:ビタミンB,D。マンニット。ポリフェノール酸化酵素。
補足説明:有毒というのは、同じシメジ科のツキヨタケ属のキノコを指している。「益気」とは、現代的にいうと「気が益す」ことなので「気持ちの上で元気になること」、「生命エネルギーが充実すること」などを意味する。殺虫については、その出自は不明。マンニットはホンシメジにも含まれる旨み成分であるが、ホンシメジにはさらにトレハロースなどが含まれる。
文献:新訂和漢薬、赤松金芳著、医歯薬出版、東京、1970年.

生薬として...

<食用菌類の水溶性多糖類の制癌作用>
その抗腫瘍性は、梅寄生(バイキセイ)と呼ばれるサルノコシカケ類(コフキサルノコシカケ、メシマコブ)やカワラタケ、シイタケ、マツタケなどと同様に強いことが知られている。

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