「地理・地図資料」 2002年8月号 (帝国書院発行)
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マッターホルンの麓に位置するスイス屈指の山岳リゾート地ツェルマット。スイス内外から多くの観光客が訪れる。海抜約1600mにあるこの村では、きれいな空気と山あいの静けさを守るために、ガソリン車の乗り入れが禁止されている。村内を走るのは電気自動車(写真2)。駅前には観光タクシーやホテルの荷物運搬用の電気自動車が並んでいる(写真1)。筆者はスーツケースを預けて、賑わうメインストリートを歩いてホテルへ向かった。電気自動車の方は通行可能な道路へと遠回りをする。
ツェルマットの隣の駅テーシュには,駅前に広い駐車場が設置されており(写真4)、乗用車やバスで訪れる観光客はここで列車に乗り換えて村へ入ることになる。ツェルマット駅の発車時刻表(写真3)を見ると、私鉄3社を直通してスイスアルプスを縦断する観光列車「氷河急行(Glacier Express)」と並んで、テーシュ(Täsch)までの一駅間のシャトル列車(Pendelzug)が運転されていることがわかる。ちなみにこの時刻表、「出発」という表示が日本語も含めて5言語で書かれていた。 一方、写真5はツェルマットから海抜約3100mのゴルナーグラート展望台までを結ぶ登山電車である。急勾配を登るために全区間にわたってラックレールが使われている。大勢の観光客を乗せた列車に続行してきた乗客ゼロのこの列車、よく見ると後ろにタンク車を連結した貨物列車だった。スイスの山岳地域では、ハイキングコースは驚くほど整備されているのだが、トラックが通れるような道路はあまりない。荷物・貨物輸送においても登山電車が活躍しているのである。 (沼津工業高等専門学校 佐藤崇徳)
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