アナグリフ画像を作成するには,裸眼実体視と同様に,同一の対象物(地形実体視の場合は地表)を角度を変えて2方向から撮影した,左目用と右目用の2枚1組の画像(ステレオペア画像)が必要になります。この2枚1組の画像に赤と青の色を割り当ててカラー合成したものがアナグリフ画像です。ステレオペア画像が入手できれば,アナグリフ画像への加工はパソコン上で可能です。
地図作成(測量)用に国土地理院などが撮影する空中写真(航空写真)は,前後のコマで撮影対象範囲が60%程度ずつ重複するように移動しながら連続撮影しています。つまり,同じ場所(重複部分)を2つの方向から撮影していることになります。したがって,連続する2コマの写真を用意して,重複部分を抜き出せば,ステレオペア画像ということになります。
また,「数値地図50mメッシュ(標高)」などのデジタル標高データから,陰影図のステレオペア画像を作成することもできます(対応するソフトウェアが必要です)。一部のGISソフト等では,標高データから直接,アナグリフ画像を作成することも可能です。
ステレオペア画像からアナグリフに変換するソフトウェアとしては,Windows用は ステレオフォトメーカー や Anaglyph Maker が, Macintosh用(PowerPC専用)は StereoPress があります。いずれもフリーウェアです。
⇒ ステレオフォトメーカーを利用したアナグリフ画像の作成方法
上述のソフトの利用が簡単で便利ですが, Adobe Photoshop, Corel Paint Shop Pro 等の一般的な画像加工ソフトでもアナグリフ画像に変換することが可能です。
⇒ Adobe Photoshop を利用したアナグリフ画像の作成方法
数値地図ビューア(MacOS版のみ,シェアウェア)やSimpleDEMViewer(MacOS版のみ,フリーウェア)では,数値地図(標高)等のデータからアナグリフを作成することができます。
また,リモートセンシングデータ解析やラスターGISのソフトとして有名な の ERDAS IMAGINE (Leica Geosystems 社) にも,DEMからアナグリフ画像を作成するツールがあります。
MicroImages 社のGISソフト TNTmips (無料のTNTliteを含む) では,DEMのワイヤーフレームをアナグリフ表示することができます。