歩車自転車混合のセルベース富士山噴火避難モデルについて
【目的】
災害避難時の最適交通配分モデルの構築
【方法】
セルベースモデルを用いて,最適避難モデルを次の2地区を事例としてシミュレーションにより得る.
- 沼津市門池地区:自動車,自転車,徒歩による三主体混合型モデル
- 裾野市須山地区:自動車による段階避難モデル
【設定①:沼津市門池地区】
総Cell数2080(門池地区の東側のみ)
※参考(2019年4月1日時点):5677世帯(16900人?)
避難所の容量:門池小学校300,門池中学校300,沼津高専300
【結果①:沼津市門池地区】
赤:自動車,青:自転車,緑:徒歩
【読み取れること】
- 徒歩と自動車が44%,自転車が12%配置される.
- 自動車は国道246号線を通って,沼津高専に集まる.
- 自動車の一部は下土狩の方に向かうものの,高専に戻ってくる.⇒リスク最小の動きをするため,密になったときに移動するが,時間の経過でリスク具合が変化し戻ってくるという挙動
- 自動車の一部は門池中学校に集まる.
- 徒歩は門池小学校に集まる.
- 門池小学校より少し遠くの徒歩はより遠くに移動する.
- 自転車は門池小学校よりさらに遠くに移動する.
-----
【設定②-1:裾野市須山地区】
総Cell数2080(門池地区の東側のみ)
※参考(人口統計ラボ20251104時点):758世帯(2241人)
避難所の容量:東学校300,深良中学校300
【結果①:沼津市門池地区】
赤:自動車の段階避難(0分:10%,10分:30%,15分:60%)
【読み取れること】
- 裾野市街方面に移動する.
- 裾野市街に行くまでは渋滞しないから一つの道路で流れていく.
- 途中の分岐は密になったため,何割かが別ルートをとる.
- 避難所指定の東中学校,深良中学校には行かない.⇒容量が大きすぎる?
-----
【設定②-2:裾野市須山地区】
総Cell数2080(門池地区の東側のみ)
※参考(人口統計ラボ20251104時点):758世帯(2241人)
避難所の容量:東学校100,深良中学校100
【結果①:沼津市門池地区】
赤:自動車の段階避難(0分:10%,10分:30%,15分:60%)
【読み取れること】
- 避難所指定の東中学校,深良中学校には行かない.⇒リスク設定に標高があるから?(※火口付近の標高と同程度の場合はリスク高となるため)
-----備忘録-----
- 時間を指定して,その中で最適な避難(リスクが小さいところへの移動)
- セル毎にリスク(距離,標高,時間)がある.
- リスクはロジスティック曲線により与える.(1+exp(b1+a1t))^{-1}
- コードの特性として時間を設定してから最適な経路をとるため,段階避難を任意に起こすことは現状不可能.最初から設定する必要がある.
- Pythonのライブラリがアップデートされて仕様が変わった.従来(門池)のマップが読み込めないため,現状(須山)は薄くなっている.