4. 『マハーバーラタ』あらすじ

1.ヴァス王

 昔、パウラヴァの祖先にヴァスという名の王がいた。王はインドラを崇拝し、その恩恵で富み栄えていた。ヴァス王は、ある日森に狩に出かけ、森の中で精子をもらす。王はこれを無駄にしてはならないと考え、木の葉に乗せてトンビに王妃のところまで届けるよう頼んだ。途中、ヤムナー川にさしかかったとき、このトンビを見て、別のトンビが肉をもっていると思って襲った。二羽のトンビが争ううちに、精子は川に中に落ちた。川のちょうど落ちたところに、呪いのために魚に姿を変られていた美しい天女がいて、精子を飲み込んだ。ある日、漁師がその魚を捕らえると、腹から人間の男と女の双子が出てきた。男児は後にマツヤ王となった。女児は、サティヤヴァティーと名づけられ漁師に与えられた。彼女は、魚の匂いがした。


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