10. 実践法

 
 実践の核となるのは、八正道であるが、その他に正しい心をもって生きるため
の多くの修道法が説かれる。それらは戒(かい)・定(じょう)・慧(え)の
三学に分類される。

「戒」とは修行の前提となる正しい生活態度を身につけることである。 「定」とは仏教の修行の基本とされる禅定、すなわち精神統一である。 「慧」とは悟りにみちびく智慧である。
戒によって悪からはなれて善を行い、定によって雑念を払い、慧によって真理を
みきわめることが目指される。

 また、在家信者に対しては、施・戒・生天の教えが示され、修行の代わりに施しをし、戒を守れば、天界に生まれると説かれた。
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1) 『スッタニパータ』第3章第5経「マーガ」では、施しによって在家信者が梵天界に生まれることが説かれる。【本文へ】